夢魔空間

プリンスインキュバス【2話】〜結界と罠〜



夢魔の青年は甘い香りを振り撒きながら…先輩の腰の上でいやらしく体をくねらせている……。
彼が腰を振る度に、身に纏っている薄く黒い布が妖しく舞っている……。

びゅぅぅぅっ♪ びゅっ♪ びゅっ♪
先輩は時折体をビクっと震わせながら……彼のお尻の中に何度も何度も射精している……。

「あぁ………あぁ………………。」

あまりにも妖艶で恐ろしい光景に僕は腰を抜かしてしまっていた……。
僕は先輩が動かなくなるまで…その様子をただ見ている事しか出来なかった……。
「んっ…んぅ〜んっ♪ そろそろ終わりみたいだねぇ♪」

そういうと夢魔の青年はお腹に力を入れてお尻を思い切り締め付ける……。
彼のいやらしい肉壁が先輩のペニスにぐちゅっと纏わりつく……。

「うぐぅぅっ……ぅ……………ぅ……………。」

ぴゅぅぅっ♪ ぴゅっ♪ ぴゅっ♪
先輩は呻き声を上げながら彼の甘い締め付けに答えるように最後の雫を吐き出す……。
そして体をぶるっと小さく震わせた後……動かなくなった……。

じゅっ…じゅぽっ…♪
先輩が朽ち果てたのを確認すると、彼はゆっくりと立ち上がりながら先輩のペニスを引き抜いた……。
搾り殺されてもなお……ペニスは固く反り返ったままだった……。

「んぅ〜んっ…ちょっとまぁまぁだったかなぁ♪ んっふふふふ♪
 さぁて……そっちのお兄さんは…どうかなぁ〜?」

彼はそう言いながら品定めするような目付きで僕のほうを見つめてくる……!!

「あぁそうだ…自己紹介がまだだったね……♪
 僕の名前はサルファって言うんだ♪ これからよろしくね♪」

青年がゆっくりと僕のほうに近づいてくる……!!

「さぁ……君は僕のどこで気持ち良くなりたい? 望み通りにしてあげるよ♪」

ゾワっとするような甘く優しい声で囁きかけてくる……。
ダ…ダメだ………もしこの青年に抱かれてしまったら…全てを搾り尽くされてしまう……!!

「う………うわぁぁぁぁっ!!」

僕は恥ずかしげも無く叫び……力の入らない体を必死に動かし……、
床を這いながら逃げようとする……。

「あぁんもう…大声出しちゃって♪ 僕を前にして魅了されない人間なんて…ホント珍しいね♪
 うぅ〜ん…どうしよっかなぁ♪」

振り向くと、彼はその場に立ち止まっていた……。
僕を捕まえようとすればすぐに出来そうなのに……でも…これはチャンスだ!!

「んっふふふふ…そんなに逃げたいなら見逃してあげるよ♪
 その代わり…君には新しい獲物を釣るためのエサになってもらうよ♪」

その言葉に僕は思わず動きを止める……。

「え……獲物を釣るための…エサ…?」

サルファと名乗るその夢魔は妖しい笑みを浮かべながら、
必死に逃げようとしている僕をただ見つめている……。

「そう…だから逃げたいならそのまま逃げていいよ♪
 でも、ここから半径5キロくらいの地域には結界を張っておくから…、
 君はこの街から出ることは出来ないよ♪
 ただ…その結界は外からは侵入出来るんだ♪
 だから…僕を倒したかったら…仲間を呼ぶしかないよね♪」

そういうことか…僕に呼ばせた仲間を…全員吸い殺すつもりなのか……。
だったら…誰も呼ばなければ……。
僕がそう思った瞬間…彼はより甘く深い声で囁きかけてきた……。

「もし3日以内に仲間が誰も来ないようだったら…僕が君のことを迎えに行くからね…♪
 そうなったら…僕が一晩中…君と濃厚なセックスをしてあげる♪
 簡単に搾り殺したりはしないよ……君が完全に狂っちゃうまで快楽でなぶり続けるからね♪」

僕の脳裏に何度も射精しながら朽ちていった先輩の姿が浮かぶ……。
あんなことを出来る相手に一方的に犯され続けたら……。
背筋に悪寒が走る……わかっていても…コイツの言う通りにするしかないのか……。

「ぅ………わ、わかった…3日以内だな……。」

僕の返事を聞いたサルファは嬉しそうな笑みを浮かべる。
仕方無い……それに仲間が負けるとは限らないし……ここは従うしかない………。

「そうそう♪ 案外物分りがいいんだね♪ じゃあ…ちょっとの間…お別れだね♪」

そう言いながら彼は僕のほうに近づいてくる……。

「ぇ……な、なにを………。」

彼は慌てて後ずさりする僕の前で止まると、そのまま腰を下ろし前屈みになる……。

「せっかく出会ったのに…いきなり離ればなれなんて寂しいでしょ?
 だから…そんな君に僕からのプレゼント♪」

彼は両手で僕の顔を掴む……近くで見るとそのあまりの美しさに吸い込まれそうになる……。
白くて綺麗な肌……薄っすらとピンク色に染まった妖しい唇……。
彼の顔がどんどん近づいてくる………あ……あぁ…………。

んっ…ちゅぅぅぅぅぅっ♪

「んぐっ…………!!」

サルファの妖艶な唇が僕の唇を優しく包み込む……。
男性とは思えないほど柔らかくしっとりとしている……。
目の前が薄いピンク色に染まり…意識が甘くぼやけていく……。
あまりの気持ち良さにペニスがビクンと反応する……。
ダ…ダメだ…………うぐっ……………ひっ………ひぐっ…………。

ちゅぱっ♪
僕がイってしまいそうになった瞬間…唇が離される……。
ただほんのわずかの間…キスしただけなのに……僕は射精してしまいそうだった……。
これがハイエストクラスの夢魔………。
人間じゃ…勝てない……僕は本能的にそう感じた……。

「んふふ…じゃあ楽しみにしてるよ♪ また会おうね♪」

その後僕はフラつきながら結界の外ギリギリまで必死になって逃げた……。
空を見上げると、さっきの場所を中心に半球状の結界が街を覆っていくのが見えた。

しばらくしてから結界の近くでいろいろ試してみたけど……、
物理的な攻撃は全部弾かれてしまって……結局何をしても無駄だった。

「あぁ…やっぱり出れないのか……。」

これじゃ…明日からこの辺り一帯は大混乱だろうな………。

逃げられないとわかっていても今の僕にはどうすることも出来ない……。
ハンターの仲間が来るのを待つしかないんだ……。
僕は来た仲間達といつでも合流出来るように、結界のそばに宿を取った。

「先輩……………。」

僕は今日起きた恐ろしい出来事と自分の置かれた状況に混乱しながら…眠りについた……。

そしてその夜……僕は夢を見た………。
ベッドの上であの美しい夢魔の青年…サルファと交わる夢を……。

柔らかく妖艶な肉体……透き通るような白い肌……甘い匂い……。
彼の唇が迫ってくる…………あぁ…………。

「うわぁぁっ!!」

ベッドの上で僕は目を覚ました……。
凄い汗だ……心臓が……まだ高鳴っている…………。
あぁ………まだ唇に彼のキスの感触が残ってる……。
もし…あそこで逃げなかったら……このまま誰も呼ばなかったら………。

「な……なにを考えてるんだ……!!」

その後僕は慌てて仲間と連絡を取った……。
寝る前にやるべき事だったのに……何をしているんだろう……。
どうするべきか考えてみようとかそんなことを思ってしまっていた……。

もし仲間がやられてしまったら……このまま誰も来なかったら………。
さっき見た夢がまた頭に浮かぶ……甘くて恐ろしい彼との交わり………。

「うぅっ………早く………早く来てくれ……………。」

僕は仲間達の到着を祈りながら……また…眠りについた………。



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